自律神経を安定させる暑さ・汗対策

近年では地球の温暖化が進み、夏以外でも暑さを感じる事が多くなってきました。
気温や湿度が上がってくると、汗が気になる方も多いのではないでしょうか。
しかしそれとは逆に、汗をかきづらい人も多く、それはそれで改善したいという声もあります。



人の体は暑くなると、体の熱を逃がすために汗をかきます。
不快感やニオイを伴うこともありますが、健康のためには欠かせないものでもありますし、自律神経の安定にも関係してきます。



そこで今回は汗のメカニズムや対策をお伝えしていきます。

汗の働き・仕組み

多くの人の平熱は36~37度です。体温が体調に与える影響は大きく、わずか2度上がるだけでも体調を崩し、ときに命に関わることもあります。

このように一定の体温を保ち続けることは、生命維持のうえで重要です。汗は、人間の体温を一定に保つ役割を持ちます。


また有害物質(老廃物や過剰な塩分など)を体外に排出して体を清潔に保ったり、性ホルモンと関連してフェロモンとしての働きもあります。
汗はほぼ水でできており、汗をつくるのは皮膚表面に存在する汗腺という器官です。


外気温の影響や運動などによって体温が上昇すると、その情報が脳に伝わり、交感神経から「アセチルコリン」という刺激物質が分泌されます。

汗の出所である汗腺には、この刺激物質の受容体があり、分泌されたアセチルコリンと結合すると汗が出る仕組みです。


発汗量は一般的に末梢部(腕や足)よりも体幹部(胸や背中)のほうが、多くなります。

 

汗の種類

汗にも「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。

エクリン汗腺

エクリン腺は全身のほとんどに存在しています。

主に体温調節の為に汗を出す汗腺で、分泌される汗は水っぽくさらさらしていて
無味無臭、無色です。

 

アポクリン腺

体の限られた部分(わきの下・へそ周り・耳の外耳道・乳輪・性器・肛門周り)にあり、
特に脇の下に多く存在しています。
独立して皮膚に開口しているエクリン腺と異なり、毛根に開口部があります。


汗は白く濁っていて、タンパク質・脂質・糖質・アンモニア・鉄分など、においの原因となる物質を含み、ベタベタした脂っぽい汗を出します。

本来アポクリン腺から分泌した汗も無臭ですが、脂肪酸と混ざり皮膚表面の細菌によって分解されることで特有の強い臭いが発生するのです。

 

汗をかかないデメリット

汗をかかないでいると汗腺の機能が低下します。

暑い時、体の中の熱を逃がすために人は汗をかきますが、あまり体を動かさないなど、汗をかかない生活をしていると、どんどん汗腺の機能が衰えていきます。


これは筋肉を使わなければ衰えてしまうのと同じことなんです。
また加齢によっても発汗機能は低下し、急激な気温上昇に対応できず、熱中症になる危険性もあります。


その他にも、汗には保湿作用があります。
汗の中には乳酸ナトリウム、尿素といった水と親和性の高い天然保湿因子が含まれているため、かかなくなるほど乾燥肌になっていきます。

汗対策

対策といっても人それぞれ汗に対する悩みが違いますよね。
悩み別に紹介していきます。

 

①臭いが気になる。


①食生活に気をつける
汗のニオイは、血液中のアンモニア量とも関係します。

肉類に含まれる動物性タンパク質は、摂りすぎると皮脂の分泌が増えてしまいます。

さらに動物性タンパク質が分解されるときに発生するアンモニアが肝臓の処理量を超えてしまうと、汗のニオイの原因となります。

また便秘気味であれば老廃物が溜まるわけですから腸内の便がアンモニアを発生させ、臭いの元となります。

②通気性の良い衣類を着る
汗を放置すると細菌と混じって臭いが発生します。汗をたくさんかく場面では、麻や綿の素材が使われている通気性のいい衣類がオススメです。



③ストレスを溜めない
ストレスにより臭いがきつくなることがあります。身体を休めたり、運動などで発散して
ストレスを溜め込まないようにしましょう。


②汗をかきづらい

①運動習慣を持つ
汗をかきづらい人の傾向として、長時間冷房が効いた中で過ごしている、日常的に運動量が少ない、代謝が低下していることが考えられます。

すると徐々に汗腺機能が低下し、気づいた時には汗をかけなくなっています。

運動を習慣化することで汗腺が正常化され、徐々に汗がかけるようになってきます。
外に出るのが面倒であれば、室内でできることから初めてみるのもいいですね。



②半身浴
半身浴の効果のひとつとして、体の深部から温める「温熱作用」があります。
37℃くらいのぬるま湯に設定し、みぞおちまで浸かりましょう。
15~20分ほど、体を深部から温めることで、じっくりと汗をかくことができます。

③汗による痒み

・濡れたタオルで拭く
汗に含まれているアンモニアや塩分などの成分が肌を刺激して、赤みやかゆみといった症状が引き起こされます。

そして汗が皮膚に残ってしまうと細菌の繁殖が活発になり、より痒みが増すため、かいた汗は放置せずに濡れたタオルで拭き取りましょう。

汗対策は日頃の食事、運動習慣など生活を見直すきっかけにもなります。
汗と上手く付き合い、快適に過ごしていきましょう。

 

ウィル整体院